頭皮の基礎知識 vol.1

2020-10-07 (水)

皆さん、こんにちわ!

今回は前回の予告通りに「頭皮の基礎知識」をご説明していこうと思います。

 

まず皮膚の構造からですが、これは頭皮に限らず全身同じで、表面から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3つに区分され、それぞれに役割があります。

表皮は外からの刺激から肌を守るバリアとしても存在しています。毛髪のキューティクルのような存在です。そのため、表皮の状態は肌そのものの状態に大きく影響します。

真皮には、血管や神経など多くの機関が存在しています。また、コラーゲンやヒアルロン酸などの成分で構成されているため肌の弾力の源とも言えます。

皮下組織には、主に皮下脂肪が存在しており、クッション・体温調節の役割を果たしております。

 

皮膚の機能と役割

皮膚は人間の器官の中で最も大きな組織であり、体の生命活動を外部環境から守り、保護する役割を果たしています。

またホメオスタシス(恒常性維持機能)が備わっており、外部からの体への刺激に対して、自律神経とホルモン、そして免疫作用によって、体はいつも程よい状態に保っています。

暑くなれば汗腺から汗を出して体温を適切な温度に保ち、細菌の侵入を防ぐためにpHを弱酸性に保ち、痛感や温感を感じすことで外的刺激を避けられるようになっています。

 

表皮の構造と役割

表皮は皮膚の表面から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つに区分されます。

この中の基底層にある基底細胞の細胞分裂が進む事により、有棘層→顆粒層→角質層へと押し出されていきます。

ここで形成された角質層はレンガの様に細胞が積み重なり、約15層の層状構造をしています。

この細胞の変化を角化と呼び、押し出された角質層は角片(垢)となって自然に剥がれ落ち、新たな角質層が生まれていきます。

この肌の生まれ変わりのサイクルをターンオーバー(新陳代謝)といい通常のサイクルは約4週間、28日周期です。ターンオーバーのサイクルが乱れると不完全な角質層しか形成されず、バリア機能が低下し、肌荒れや乾燥を引き起こします。

そのため、ターンオーバーのサイクルを正常化し、しっかりと角質層を作ることが非常に重要です。

 

真皮の構造と役割

真皮は、基底層と皮下組織の間にある層で、皮膚全体の約95%を占める皮膚の本体です。表皮の約15~40倍の厚さがあり、肌のハリや弾力はこの真皮で出来ていると言えます。

真皮は水分をたっぷり含んだスポンジのようなもので、構成組織の主成分は、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのムコ多糖類です。

その他に、肌の弾力を決定する膠原繊維(コラーゲン)が網目状に走り、それを弾力性に富んだタンパク質の弾性繊維(エラスチン)が束ねていて、皮膚の弾力やハリをもたらします。

これらの成分は真皮に存在する繊維芽細胞で合成されています。これらの構成成分が様々な要因で減少すると、皮膚はハリを失ってしまいます。

また真皮には、全身の隅々まで酸素や栄養を送り届ける血管や、体の老廃物を運ぶリンパ管、温度や痛みなどを察知する神経が張り巡らされています。

そして、皮下組織との境目には毛を作る毛乳頭細胞が存在します。

 

皮下組織と筋肉の役割

皮下組織は、真皮と筋肉・骨の間にある組織で脂肪を多く含んでおり、この部分が発達すると体に丸みが出てきます。また、脂肪を多く含んでいるため、皮下脂肪組織とも呼ばれています。

この組織は、体の部位によってその厚みは異なります。例えば鼻はこの組織が非常に薄い部分なので、鼻の骨の形がそのまま出てしまいます。高い鼻と低い鼻の違いは、骨の違いとも言えます。

この組織はクッション的な役割の他に、保温作用の働きや余分なカロリーを蓄えるエネルギー貯蔵の働きがあります。

また、皮下組織の筋肉は400種類以上もあります。筋肉を大別すると、「腕の筋肉」「脚の筋肉」「首の筋肉」などを意識的に動かす事の出来る随意筋、内臓の筋肉で意識的に動かせない不随意筋の2種類に分けられます。筋肉の量が減少することによって、普段の生活をすることが出来なくなります。

 

 

今回は基礎知識を紹介しましたが、皮膚にはまだまだいろんな役割がたくさんあるので、順番に紹介していきますね。

それではまた!

 


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